Mellowdies for Memories

Calmのメロディーは皆の心に残っているだろうか?
CalmのMellowなサウンドは皆の記憶に刻まれているだろうか?

Calmデビューより今年で14年。
あっというまの14年だったかもしれないが、時代を取り巻く環境は大きく変わった。

14年前、音楽シーンはとてもつまらない方向に進み始めていた。
ある意味本当のシーンというものがなかった。
しかしアンダーグラウンドの世界ではそうではなかった。
より活気を帯びてきていたにも関わらず、そこに大衆性というものが欠如していたかもしれない。
そんな良質なシーンが数々と生まれ、時代が追いつくことになる。

大衆音楽も含め2000年過ぎた数年は音楽バブルが訪れた。
数多くのミリオンセラーが生まれ、その恩恵を良質な音楽が受けるようになる。
頑固なまでに我が道を突き進むアーティストにさえその恩恵は与えられた。
そんな我が道を進む人、ビジネスという薬物に侵され耳障りのしない心ない音楽を作り始めた自称アンダーグラウンドな人、早くもそんな世界から足を荒い海外へと引っ越した人、あくまでもマイペースに時代を客観視して良質な音楽を作った人、皆大きく時代の波に飲まれていった。

今や音楽バブルは弾け、多くの難民を生むこととなる。
1万枚売れれば大大ヒットだったのが、今や1000枚でも大ヒットというご時世。
コピーという時代の進化が悪いのか、音楽バブルに踊らされて手を抜いてしまった我々が悪いのか。
今自分にその答えは必要ではないけれど、たまに考えることだ。

音楽制作も大きく変わった。
デビュー前はバンド、そして一人になってシーケンスで音楽を作ることを覚える。
その頃はコンピューターはただのシーケンサー。
Midiという通信手段でサンプラーやシンセサイザーを動かし、レコーディングし、ミキサーを通し、外部エフェクターを使いマスターミックスをする。
それがコンピューターの進化により、オーディオという概念が生まれ、ソフトサンプラーやソフトシンセなどが付加され、最後には外部ミキサーやエフェクターさえ不要になった。
同じシンセやエフェクターをコンピューターのCPUに準じて何台も立ち上げることができる。
デスクトップミュージック、ベッドルームミュージックと呼ばれる、誰でも簡単に曲が作れる時代が到来した。
今やDJとミュージッシャンの垣根もなくなり、音楽という一つのフォームになった。

そんな簡単な時代だけれど、一時代より刺激が少ないのは何故だろう?
CDショップやレコードショップが潰れていくのは何故だろう?

と色々と考える中ですが、4/20にCalm名義初となるベスト盤をリリースします。
これまでベストっていうのを頑に拒んできましたが、昨年の『Calm』制作/リリースで一区切りができたので、ここにリリースする運びとなりました。
Calm名義のアルバムの多くをリリースしてもらっているラストラムの協力の元、選曲者にBar Musicの中村くん、そして未発表曲も収録という濃い内容。

中村君も大変そうでしたが、確かに14年、ほぼ毎年リリースしている作品の中からCD1枚にまとめろというのが無謀だったかもしれませんが、それでも中村君はやってくれました!
なんと愛がこもった選曲、流れでしょうか!

いつも「ベスト」という言葉の字面に拒否反応をしていたかもしれません。
「ベスト」は常に最新作がベストであり、過去は振り返らない、自分が作品を作れなくなったら始めてベストをやればよいのではといつも思ってました。
しかしこの時期にまさに一区切りのタイミングが来て、こんな素晴らしい流れを作ってもらい、最高の作品に仕上げてもらいました。
勿論ジャケットはFJD。今回もいつも通り素晴らしいCalmアートワーク。
Calmの歴史はFJDの歴史でもあります。

この一区切りで次へのステップがより大きなものになると思います。

これから先も皆さんの記憶に残るよう、10年20年と作品を作り続けていきたいと思います。


ベスト盤リリースに伴い様々な仕掛けがあります。
詳しくはフライヤーやウェブ等をご覧ください。

5/14のベスト盤リリースパーティー@ミクロコスモスでは、珍しく自分の楽曲を中心としたプレイをしたいなと考えてます。
翌週5/20のB4Eとはまた違った世界感でお待ちしています。
Beams RecordsではCalm特設コーナー、スペシャルイベント(5/1予定)、ディスクガイドの配布なども予定しています。

14年分の思い、まもなくリリースです。
またちょくちょく書き込みさせてもらいます。


Calm “Mellowdies for Memories” (Lastrum) 4/20発売

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