現実と非現実

今日はM’s Discにてマスタリングの打ち合わせ。

とあるメーカーのとある機材をマスターとして使えるかどうかを皆で試聴しながらテスト。
結果としては今回はこれをマスターとすることを見送りました。

今我々が求めている物は、我々が作り出した、良しと判断した音を忠実に記録して忠実に伝えてくれる手段。
究極は世の中に溢れる本物(言い方を変えると自然)の音を、自分が耳にした通りに記録し伝えてくれるもの。

勿論そんなものはいまだこの世には存在したことがない。
必ずそれに近い音の段階で終わっている。
風の音、人の声、楽器、車の音、全て上も下もエンドというものはなく、わずかだけれど永遠に続くもの。

自分としては究極その世界を見てみたい(聴いてみたい)ものだけれど、せめてもの思いは、自分が作り出した音を伝えたいと思った音で皆に届けたいだけ。
そこに感動があるはずだから。

そんな馬鹿げた趣味に近いことに付き合ってもらっているM’s Discには感謝しなければいけないし、同じような音楽好きがいてくれることを励みに頑張れる。

昨日最速で完成してもらった小松音響研究所の真空管ラインアンプと共にアルバムのラストスパート。
まずは各真空管の個性をつかみ取ること、そこからのスタートだがあまり時間がない。
とにかく聴きまくるしかない。

そんな思いでバイクで移動中にみたマジックアワーの代々木公園がとても素晴らしかった。
これを記録することもできなければ、その素晴らしさを伝える文章力が自分にはない。


結局音も映像も『リアル』という表現が一番難しい。
何がリアルかもわからない時代。

アーティストとリアリストは真逆なのだろうか?
それとも同じなのか?

答えは風に舞っているのか?


今日は不思議なことを考える場面が多い一日だったなぁ。

calm