最近某中古・新譜レコード屋で、(これまた一応)某レコードショップのスタッフとよく合う。
彼らはきっと休憩中にレコードハンティングをしているんだろう。
それにしても頻繁に合うってことは、彼らも休憩の度に足しげく通ってるんだろうな。
どこまでレコード好きなんだ!(と人のことは言えませんが、、、)
人のことは言えないってのは、自分もそうだったから。
そうもうあれこれ20年くらい前の話。
まだCalmという名前すらなく、ただの渋谷のレコードショップスタッフとして働いていた時期。
あの頃の渋谷宇田川町を中心としたレコードショップは全盛期だった。
Mr. Bongo、DMR、Cisco、マンハッタン、そして自分が働いていたUltra、今も健在のディスクユニオンやレコファン、また数々の中古レコードショップ。
自分も休憩中には各店舗に挨拶回りを兼ねてレコードハンティング。
当時は新譜屋だけでも先に書いた通り沢山あり、それぞれ同じ商品の価格競争や早出し競争もあれば、独自のセレクションもあって、休憩時間だけではあき足らず、出勤前や終業後にも出かけてたな。
今みたいにインターネットもない時代だったから(いやようやく出始め?)、とにかく足で情報を稼ぐしかなかった時代。
自分の店にない良いレコードを教えてもらったり、またその逆もあったり。
よくもまああんな狭い地域にレコード屋が密集してたなって、今思えば不思議なくらい。
それくらいレコードが、音楽が売れてたってことなんだろうな。
だからこそ地方の人たちは、まずは渋谷にって感じになってたんだよなぁ。
今は家を出らずしてもワンクリックで買えるんだから、地方の人たちにとってはどうなんでしょうね?
しかし今と違うところは、生の情報が手に入ったってことかな。
ジャケットやレーベル面を眺め、レビューを読み、そして試聴。
あれれ、別に今のインターネット社会と変わらないじゃないって思った人、実は空気感が違うんですよね。
もう皆良いレコードを買おうと必死だから、そういった人たちや有名DJが来店して何を買うんだろうとか、このレコード皆が手にしていくなとか、そういった隠すことが出来ない事実がそこにあり、それが生の情報だった。
いつもいつも今のインターネット社会の批判ばっかりしてますが、クラブやDJバーの生の空気感と当時のレコード屋の生の空気感は同じなんですよね。
こればっかりはインターネットだろうが新聞だろうが雑誌だろうが、ある媒体というフィルターを通ったところには存在しない何かがあるんですよ。
それを人が人に伝達するリアル。
少しはねじ曲がった情報になったとしても、ネタ元が生の情報であればそれはアナログと同じで、本質は伝わる。
事実というより真実。
とにかくあの当時の宇田川町界隈のある意味殺気立った空気感は特別だった。
昔ほどではなくなったけど、今も変わらずサクサクとレコ屋でレコードを掘る自分と、残された同士達を見て、ふとこんな話を書いてみたくなりました。
この時代は本当に面白かったから、また別の機会に違った切り口で書いてみます。
今日はこの辺で。
徒然なるままに、、、